車いすアイテム事例

車いすのキャスター用スキー「ホイールブレード」の調整方法をご紹介します。

ホイールブレードの調整方法をご紹介します。

ウィンターアイテムの定番となっている、車いすのキャスター用スキー「ホイールブレード」は、必要に応じて簡単に着脱できるのが魅力ですが、購入後に初めて使うときには、予め装着するキャスター車輪に合わせて調整を済ませておく必要があります。

ホイールブレードは、車輪の【直径】に関しては調整不要ですが(適合範囲に収まっていれば何もすることはない)、装着する車輪の【幅】には工具を使って事前に合わせておく必要があるのです。

今回の事例紹介は、その調整方法のイメージをイフのデモ機を分解しながら、その構造も交えてご紹介しますので、製品に付属している取扱説明書と合わせてご参照ください。

ホイールブレード取扱説明書


先ずは、ホイールブレード(S)が装着可能な車輪サイズの確認です。

車輪の幅(調整可能な範囲) 20~60mm
車輪の直径(適合する範囲) 80~200mm(3~7インチ)

このサイズの範囲に収まっている車輪であれば、一部の相性の悪い形状の車輪を除いて、ほとんどの車輪に装着(セット)することができます。

次は、ホイールブレードを構成する各パーツの部品名称です。

ホイールブレード 各部の名称

2本の<6⃣ 調整用ボルト>を外すと、3つのパートに分離されます。

車いすのキャスター用スキー「ホイールブレード」を分解

いきなりバラバラ状態から紹介がスタートしてしまいましたが(汗)、新品のホイールブレードは調整幅が最も狭い位置で仮固定された状態で箱詰めされています。この状態が、幅が20mmの車輪にジャストフィットするイメージです。

車いすのキャスター用スキー「ホイールブレード」
車いすのキャスター用スキー「ホイールブレード」 一番狭い状態
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幅の調整は、製品に付属している「専用工具(T25 トルクスレンチ)」を使い、ホイールブレードの前後2箇所にある調整用のトルクスネジ(穴が星型のネジ)を緩めて行います。

ホイールブレードの調整方法 T25トルクスレンチ
ホイールブレードの調整方法 T25トルクスネジ
ホイールブレードの調整方法 T25トルクスネジを緩めて幅を変更します
ホイールブレードの調整方法 T25トルクスネジを緩めて幅を変更します
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調整用のトルクスネジを少し緩めると<4⃣ 直角ゲージ>のみが動くようになり、更にネジを緩めていくと、スキーとベースプレートの嵌合が外れて<2⃣ ベースプレート>も自由に動かすことができるようになります。

これは、「直角ゲージ」はネジの締め付けだけで固定されているのに対して、「ベースプレート」はスキーとの接合部にギザギザ状の嵌合を設けてズレないように工夫されているためです。

ホイールブレードの調整方法 スキーとベースプレートの嵌合

ホイールブレードのスキーに対して、「ベースプレート(緑で囲んだ部分)」と「直角ゲージ(ピンクで囲んだ部分)」が、それぞれ独立して左右にスライドすることで、車輪の中心をスキーのセンターラインに合わせた状態で、幅の異なる車輪に対応した調整ができる仕組みになっています。

ホイールブレード S の調整方法

直角ゲージとベースプレートを最大限に広げると、約60mmまでの幅の車輪を固縛できます。(幅が50mmを超えると、スキーのセンターライン上に車輪の中心を合わせられなくなるため、あまり推奨できません)

ホイールブレードを最大限に広げた状態

車輪の直径は適応範囲外ですが、車輪の幅が約48mmの「FreeWheel (フリーウィール)」も固縛できました。

ホイールブレードにFreeWheel (フリーウィール)を仮装着

ちなみに、FreeWheel (フリーウィール)には、「ホイールブレード XL」がベストマッチです♪

話は戻って・・・ホイールブレードの幅を車輪に合わせる調整方法は、製品に付属している[取扱説明書 ]に詳しく記載されていますが、そこでは調整用の「目盛り」を使って位置を合わせるやり方となっています。

ホイールブレードの調整方法をご紹介します。
ホイールブレードの調整方法をご紹介します。
ホイールブレードの調整方法をご紹介します。
ホイールブレードの調整方法をご紹介します。
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調整用の目盛りを見ながら合わせていくのは、逆に難しいかもしれませんので、慣れた方?や器用な方?であれば、実際の車輪に合わせながら目見当で適度に調整する方が早いかもしれません。

ベースプレートに車輪を乗せて、車輪がスキーのセンターラインに配置されていることを確認しながら、クランプレバーで固縛した際に、キツ過ぎず、ユル過ぎず、という適度な締め代(←言葉で説明するのは難しいのですが・・・)に、ベースプレート(スプリングプレート)と直角ゲージの隙間を調整するイメージです(笑)

ホイールブレードの調整方法をご紹介します。

クランプレバーを立てて車輪をロックした状態で、スキーのセンターラインと車輪のセンターが同一線上にあるのが理想的なセット位置で、この状態で簡単にホイールブレードが脱落しなければOKです♪

ホイールブレードの調整 適切な状態

調整が不完全でスキーのセンターラインと車輪のセンターが左右のどちらかにズレている状態だと、走行時にスキーが一方向に回りやすくなってしまうためNGです。

ホイールブレードの調整 不適切な状態

ベースプレートと直角ゲージが並行になっていない状態もNGで、車輪からホイールブレードが脱落しやすくなってしまいます。

ホイールブレードの調整 不適切な状態

なかなか文章と写真で説明するのは難しいなぁ・・・と感じながら、次回は動画(You Tube)などで調整方法をご紹介できればと妄想を巡らせています。

最後に、ホイールブレードの可動部分は、基本的には無給油となっていますが、クランプレバー(アルミ製)とスプリングプレート(バネ鋼)の間に潤滑剤を塗布すると、より軽い力でクランプレバーを動かすことができるようになります。

給油の際は、下の写真の赤囲み部分にだけ、KURE 5-56 などの潤滑剤を少量だけ塗布してください。(スプリングプレートのキャスター側の面には絶対に潤滑剤がかからないようにご注意ください!)

車椅子 キャスタースキー ホイールブレード S をダブルホイールのシルバーカーにセットしてみました。

ちなみに、イフでは WAKO’S(和光ケミカル)の「メンテルーブ 」という多目的潤滑剤を使用しています。

以上、拙い説明で恐縮でしたが・・・本記事がホイールブレードをご購入いただいた方の参考になれば幸いです。

ホイールブレード 取扱説明書

wheelblades-manual

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