靴用の滑り止め「スノースリップガード」との出会い~12年経って、ようやく商品掲載できました!
福井県の糸加工メーカーである 有限会社内田撚糸様 が製造販売している、靴用の滑り止め「スノースリップガード(SNOW SLIP GUARD)」をイフ・オンラインショップの掲載商品に追加しました!
この「スノースリップガード」は、イフの定番商品である「おでかけリング」の基になっている製品で、同社が開発した[カントベロン]という特許取得済の特殊織物(布とゴムを織り込んだ新素材)でつくられています。
カントベロンとは?
スノースリップガードに採用されている[カントベロン ]は、魚網やテントなどに使用される、水に強い繊維のポリプロピレン系の繊維に天然ゴムを織り込んだ、滑りにくい特殊織物で、有限会社内田撚糸様の糸の加工技術と製織技術が商品に生かされている唯一無二の素材です。
車いすのプロショップとして、車いすユーザーの冬の必需品である「おでかけリング」は、予てよりホームページで紹介していて、オンラインショップにも公開当初から掲載していましたが・・・「スノースリップガード」は、すっかりタイミングを逃していました。
ネット通販やホームセンターで販売されている “靴用の滑り止め” 製品の多くは、鉄製のスパイクピンが使われているのに対し、特殊織物製の「スノースリップガード」は床などを傷つける心配がないため、靴に装着したまま店舗やホテルに入ったり、バスや自動車などに乗り込むことができます。
そんな「スノースリップガード」は、杖をお使いの方や雪道歩行に不安のある方の強い味方ですが、車いすユーザーの方も自動車などへの移乗の際に足が不用意に滑ってしまうことを軽減できる優れものです!
これまでは、ご相談をいただいた方だけに個別対応(ご提供)していて、知る人ぞ知るという隠れアイテムになってしまっていましたので・・・満を持しての商品掲載となりました(汗)
実は・・・
イフと「スノースリップガード」の出会いはかなり古く、話は2010年の1月までさかのぼります。
奈良県にお住まいのO様が、愛娘のshihoちゃんを “真冬の帯広” に連れて行って綺麗な雪景色を見せてあげたい!という熱い(寒そうな?!)想いから物語は始まります。
前年の夏に、ご家族で帯広に遊びに来られたO様は、イフの常連さん達と昼夜を通して交流を深め、「次はshihoちゃんと連れて、真冬に遊びに来てくださいね〜♪」という話で大盛り上がりをしたことがキッカケとなりました(笑)
とはいえ、レスピレーター(人工光呼吸器)を常用し、医療的ケアが必要なshihoちゃんをいきなり極寒の北海道の屋外に連れ出すのはリクスが高く、ネットや人づての情報だけでは解らないことも多いことから、先ずはお母様が先陣を切って “真冬の帯広” を視察に来ることになったのです。
2010年1月29日、帯広空港で久しぶりにお会いした0様の足元(靴)には、何やら怪しげな布製のベルトが巻かれていました・・・
O様が来帯された日は、折しも「第47回 おびひろ氷まつり 」が開催されていました。
おびひろ氷まつりは、「さっぽろ雪まつり 」のような大雪像はありませんが・・・十勝帯広の厳しい冬の寒さを象徴する氷をメインとした造形物や参加型プログラムを展開し、心あたたまる十勝らしいおもてなしで来場者を迎え、冬の生活を楽しむわくわくした素敵なおまつりで、是非ともshihoちゃんに<見て・触れて・体験して>もらいたい冬のイベントの一つです♪
降雪量が多く、比較的暖かい?札幌とは違い、雪は少なくとも氷点下25℃まで冷え込むことのある十勝帯広の氷まつり会場は、案の定・・・ツルツルのアイスバーン路面でした。
凍結路面に慣れた地元人でも、転ばないように足元に気を使いながら歩くような状況でしたが、意外にもO様は不安げなく(実はかなり真剣だったそうですが・・・)普通に歩けているのです!!
これは、もしかして・・・靴に巻いている布ベルトの効果なのだろうか?と思った内藤は「ちょっと、その靴ベルトを外してみませんか?」と無茶振りしてみました(笑)
結果・・・布ベルトを外した瞬間から、歩くことはおろか、普通に立っていることすらおぼつかない状態となってしまい、大笑いしたことを、10年以上経った今でも鮮明に覚えています。。。
そうなんです!
その魔法の布ベルトこそ、遅ればせながら今回オンラインショップの掲載商品に追加した「スノースリップガード」だったのです!
「雪道は想像以上につるつるで全然動けなかったのに、スノースリップガードを着けたら、走っても怖くない♡」とのことで、翌日以降も “真冬の十勝観光(視察)” をご一緒させていただきました。
この話には後日談があります。
視察の最中、スノースリップガードの性能に驚いた私は、ふと「これ(スノースリップガード)を車いすのタイヤに巻きつけたら、冬道でも安心して移動ができそうですよねぇ。。。」と呟きました。
O様も「そうよねぇ」とうなずいていましたが、そこから話が膨らむことはありませんでした。
それから暫く経ったある日・・・
イフに試作品の「車いすのタイヤ用に作られた、スノースリップガード」が届きました。
その製品は後に「おでかけリング」と名付けられ、イフの定番商品となったのです。
おでかけリングの商品開発に至る逸話について、中日新聞のWEB記事(2013.2.10)に掲載されていますので、ご興味のある方は是非ともご覧ください♪
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