ホイールブレード S をダブルホイールのシルバーカーにセットしてみました。
オンラインショップの問い合わせフォームから、「前輪がダブルホイールのシルバーカーやベビーカーに(ホイールブレード S を)装着して使用できますか?」という相談をいただきました。
メールでお返事するにあたり、文章を羅列した説明だけでは分かりづらいと考え、イフにあったシルバーカーに、デモ機の「ホイールブレード S」を仮取り付けして、その写真を添えて返信させていただきました。
本記事は、その時の様子を少し掘り下げてご紹介いたします。
先ずは、ホイールブレード(S)が装着可能な車輪のサイズのおさらいです。
車輪の幅(調整可能な範囲) | 2cm~6cm |
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車輪の直径(適合する範囲) | 8cm~20cm(3~7インチ) |
このサイズの範囲に収まっている車輪であれば、一部の相性の悪い形状の車輪を除いて、ほとんどの車輪に装着(セット)することができます。
それでは、実際に装着するシルバーカーのキャスター車輪のサイズを測ってみましょう。
車輪の幅は、約26mmなのでOK!(調整可能な範囲内)
車輪の直径は、約15cmなので、こちらも適合範囲内でOK!
念のため(記録のため)ダブルホイールの内々寸法も計測しておきました。
車輪のサイズとしては、問題なくホイールブレード(S)がセットできることが確認できましたので、次はホイールブレードをこの車輪に合わせて調整します。
ホイールブレードは、車輪の直径に関しては調整不要ですが(適合範囲に収まっていれば何もすることはない)、装着する車輪の【幅】には予め調整して合わせておく必要があります。
幅の調整は、製品に付属している「専用工具(T25 トルクスレンチ)」を使い、ホイールブレードの前後2箇所にある調整用のトルクスネジ(穴が星型のネジ)を緩めて行います。
調整用のトルクスネジを少し緩めると「直角ゲージ」のみが動くようになり、ネジが外れる直前くらいまで緩めると、スキーとベースプレートの嵌合が外れて「ベースプレート」も自由に動かすことができるようになります。
ホイールブレードのスキーに対して、「ベースプレート(緑で囲んだ部分)」と「直角ゲージ(ピンクで囲んだ部分)」が、それぞれ独立して左右にスライドすることで、車輪の中心をスキーのセンターラインに合わせた状態で、幅の異なる車輪に対応した調整ができる仕組みになっています。
この調整方法は、製品に付属している[取扱説明書 ]に詳しく記載されていますが・・・調整用の目盛りを見ながら合わせていくのは、逆に難しいかもしれませんので、器用な方であれば? 現物の車輪に合わせながら目見当で適度な締め代に調整する方法もありだと思います。
ベースプレートに車輪を乗せて、車輪がスキーのセンターラインに配置されていることを確認しながら、クランプレバーで固縛した際に、キツ過ぎず、ユル過ぎず、という適度な締め代(←言葉で説明するのは難しいのですが・・・)に、ベースプレート(スプリングプレート)と直角ゲージの隙間を調整します。
ホイールブレードの可動部分は、基本的には無給油となっていますが、クランプレバー(アルミ製)とスプリングプレート(バネ鋼)の間に潤滑剤を塗布すると、より軽い力でクランプレバーを動かすことができるようになります。
給油の際は、下の写真の赤囲み部分にだけ、KURE 5-56 などの潤滑剤を少量だけ塗布してください。(スプリングプレートのキャスター側の面には絶対に潤滑剤がかからないようにご注意ください!)
ちなみに、イフでは WAKO’S(和光ケミカル)の「メンテルーブ 」という多目的潤滑剤を使用しています。
キャスターがしっかり固縛できることを確認した後で、調整ネジを本締めします。片方の調整が完了したら、反対側のホイールブレードも同様に調整してください。
ホイールブレードがダブルホイールのシルバーカーに装着できました♪
今回は(たまたまイフに転がっていた)幸和製作所のシルバーカーにセットしてみましたが、ベビーカーやペットカートなどでも条件さえ合致すれば、ホイールブレードの装着は可能です。
尚、ダブルホイールの車輪にホイールブレードを装着する際は、左右それぞれの外側のタイヤに装着するため、キャスター車輪の回転をロックする必要があります。(回転のロック機構が無い場合は、お使いいただけません)
また、今回の車輪はギリギリセーフでしたが、ホイールの内側に突起などがある場合は、そこが邪魔をしてホイールブレードが装着できない場合がありますのでご注意ください。
番外編:基本的にはダブルホイールの場合は車輪の外々に装着するのが安定しますが、3輪車?的に使いたい場合は、このように内々にセットすることも可能です。
今回の事例のシルバーカーに限らず、ホイールブレードは装着する車輪に合わせて【幅】の調整をお客様にしていただく必要がありますので、その調整に際して、本記事が少しでも参考になれば幸いです。