FreeWheelをティグの「BUZZ」に合わせて加工して納品しました。
FreeWheel(フリーウィール)の購入を検討されている、兵庫県にお住まいのS様から、メールでお問い合わせをいただきました。
TIG社のリジット車 BUZZに装着して使用する為に「FreeWheel」の購入を希望します。
フットレストのパイプの外寸が実測で100mmですが、使用可能でしょうか?
ご返答お待ちしております。
TIG(ティグ)社の「BUZZ(バス)」は、重量7.2kgの超軽量チタン製車椅子で、ティグの特許技術フレームが安定性と軽量化を実現した人気のモデルです。
▼“BUZZ バズ”車椅子シリーズ – チタン製 – 株式会社ティグ
http://www.titanium-tig.com/html/wheelchair/wc-buzz.html
S様の仰る「フットレストのパイプの外寸(実測で100mm)」とは、フットレストの奥行き寸法1 で、フリーウィールの製品情報では、装着可能なフットレストの奥行き寸法は[102mm~175mm]と表記されていることから、微妙に基準外となるため悩まれていたのです。
確かに、この100mmという寸法は微妙なところで、フットレストパイプやプレートの太さや厚みによって、特に何もせずにそのままバッチリ(ギリギリ)装着できる場合もありますし、しっかりロックしきれずに緩くて外れやすくなるという可能性もあります・・・
地元(十勝管内)や北海道内のお客様であれば、一度(来店していただくなどして)装着してみて考えるのですが、S様のお住まいは兵庫県とのことで、行き来は現実的ではありません・・・
そこで次の2つの解決策(対応方法)を、メール返信でご紹介させていただきました。
方法①:車いすのフットパイプに何かしらの細工をしてごまかす?
例えば、ビニールテープやガムテープなどを少し巻くだけでしっくりきたり、薄めのゴムホースや、ゴムテープなどを被せて合わせるという方法ですが、使用するものによっては消耗品になるかもしれませんので、定期的なメンテナンスが必要になります。
方法②:フリーウィールの部品を加工して、100mmに対応させる!
弊社(イフ)で、フリーウィールの部品を加工して、100mm対応にする方法です。作業費用は無償でさせていただきますので、少々お時間はいただきますが、安心確実な方法となりますので、こちらを推奨いたします(笑)
尚、加工の際には、少し余裕をもって 95mm程度(必要あれば90mmまで)に対応できるように加工しますので、ノギスなどでの正確な寸法計測は不要です。
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打ち合わせの結果は、言わずもがな・・・ ②の方法となり、S様からオンランショップで正式なご注文をいただきました。
今回は、(すっかり前置きが長くなってしまいましたが)S様への報告を兼ねて、Freewheel(フリーウィール)のフットレストの奥行き寸法100mm対応加工の様子をご紹介させていただきます。
まずは、こちら ↓ が、S様分で入荷してきた「Freewheel(フリーウィール)」です。
ちなみに、Freewheel(フリーウィール)は、製品ごとにシリアル番号が付与されていて管理されています。
フリーウィールを車いすにセットする部分は、様々なタイプのフットレストに対応するための工夫があります。
これら ↓ が、様々なタイプの車いすに対応させるために製品に付属している部品です。
写真中央の、赤線で囲ったL型の部品が「リヤエンド」と呼ばれる、フットレストを挟み込んで固定するためのパーツで、「ロングタイプ」と「ショートタイプ」の2種類が製品に付属しています。
フリーウィールにロングタイプのリヤエンドをあてがうと、このような雰囲気 ↓ で最大175mmまでのフットレスト奥行きに対応可能です(実際には、アルミ成形されたホルダー部の中に、リヤエンドを挿入して固定します)
ショートタイプのリヤエンドをあてがい、一番短くセットした状態(雰囲気)で、ノギスを計測すると、大凡102mmくらいの締め付け寸法となることが確認できます。
今回、102mm以下のフットレスト奥行きに対応させるため、ショートタイプのリヤロッドを加工します。
ボルトの抜け防止のために付けられている「Eリング」を、小さなマイナスドライバーなどで外して、ボルトを抜きます。
リヤエンドの先端を5mmほどカットするため、マーキングと養生をします。
不要となる先端部分を、ディスクグラインダー(切断砥石)で切り落とします。
切り落とした部分をベルトサンダーで綺麗に仕上げます。
アルミニューム合金のため、鉄とは違ってこのままでも錆びることはないのですが・・・カットしたままでは無骨なため、タッチアップペンで簡易的に塗装を補修します。
外したEリングを、元の位置とはずらしたところに再取り付けします。
リヤエンドのカット料が10mm以下であれば、ボルトの長さはそのまま(無加工)で対応できますが、それ以上のカット量にする場合は、ボルトの先端も切り落としすることもあります。
実際にフリーウィールのホルダー部分にリヤエンドを本装着して、一番短い状態にセットすると、大凡95mmくらいまでのフットレスト奥行き寸法に対応できるようになったのが確認できました。
仮取り付けしたリヤエンドを取り外して、最後にタイヤの空気圧を既定値にセットしてから再梱包しました。
本日、宅配便でS様宅へ発送させていただきますので、到着を楽しみにしていてください♪
この度は、イフ・オンラインショップをご用命いただき、誠にありがとうございました!