車いすアイテム事例

車椅子キャスタースキーとホイールブレードSを比較

元祖?キャスタースキーとホイールブレードを比較してみました。

車いす歴の長い方であれば、車椅子の前輪スキー(キャスタースキー)と言えば・・・ ミニスキー 1 の中央に穴が空いている黄色いソリを思い浮かべるのではないでしょうか?

おそらくそれは、株式会社特殊衣料が販売していた(している?)製品で、キャスタースキーの元祖とも言えるモノと存じ上げます。

出典:株式会社 特殊衣料
http://www.tomoni.co.jp/product/winter

その発売時期は不明(未確認)ですが、「さっぽろ雪まつり」の福祉ボランティアハウスを運営している 特定非営利活動法人 手と手 が、2008年頃には既にキャスタースキー付きの車椅子を活用していましたので、それを目にした方も多いと思います。

この、株式会社特殊衣料の「キャスタースキー」と、イフで取り扱いをしている「ホイールブレード」は、“キャスター車輪に装着するスキー” という点では共通していますが、実際には似て非なるものです。

「キャスタースキー」はキャスター車輪のサイズ(5″・6″・7″)に合わせた製品があり、キャスター車輪を固定しているボルト&ナットと共締めする形で、工具を使って装着します。

スキー板の中央部分に溝状の穴が空いていて、そこにキャスター車輪の先端が突出る状態となるため、装着したままで乾燥路面を走行できるというのが特徴的ですが・・・

反面で、その穴があることのデメリットもあり、縦長のスキー板は一度横を向いてしまうと前に進めなくなったり、車輪やキャスターフォークのタイプや形状によっては装着できなかったり等々、残念ながら必ずしも万能ではないと感じていました。

それらの不満点を見事に解消しているのが、スイスに住む車いす当事者である パトリックマイヤー氏 が開発した「ホイールブレード」でした。

汎用性が高い独自の調整機構や、簡単に着脱できるロック機構、クルクル回りながらも安定して進むことができるジャストなサイズのスキーなど、より多くの方に快適に使っていただける工夫が盛り沢山です。

2つの製品の情報をざっくりとした一覧にまとめましたので、それぞれの違いを比較してみてください。

製品名 ホイールブレードS キャスタースキー
生産国 スイス 日本
スキーの色 黄色
スキーのサイズ 長さ:258mm
横幅:110mm
長さ:300mm
横幅:80mm
製品重量 約500g(片側) 約250g
バリエーション 1種類(汎用品)
※類似製品でXL有り
5インチ車輪専用品
6インチ車輪専用品
7インチ車輪専用品
装着可能な車輪 車輪の幅:2~6cm
車輪の直径:8~20cm
製品タイプに準ずる
※装着できない車輪あり
乾燥路面の走行 不可(取り外しが必要) 条件付きで可能
装着方法 ワンタッチで着脱可能 工具を使って車軸に固定
適応気温 – 20℃ ~ 30℃ 不明
参考価格 ¥25,500(税別) ¥25,000(税別)

最後になりますが、「ホイールブレード」は北海道ではキャスタースキーという項目(特例補装具扱い)で、身障手帳を使って購入の補助を受けることができています。(自治体によって見解や基準額が異なりますので、詳しくはお住まいの障害福祉課にご確認ください)

本来は “特例補装具の扱い” であることから、更生相談所による直接判定もしくは医師の意見書による書類判定が必要ですが、キャスタースキーに関してはその限りではありません。

これは、元祖キャスタースキーを販売していた株式会社特殊衣料様が、行政に対して地道な働きかけをしてくださった賜物かと思いますので、ひとえに感謝しております。。。

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