車いすハンドリム事例

「サージLT」と「ゲッコ/ゲッコS」を比較してみました!

「サージLT」と「ゲッコ/ゲッコS」を比較してみました!

皆さまは、アウトフロント社(Out-Front)というアメリカのハンドリムメーカーはご存知ですか?

オーバル(楕円形状)ハンドリムの先駆け的な存在ともいえるアウトフロント社は「ナチュラルフィット(The Natural-Fit)」や「サージ(The Surge)」「Qグリップ(Q-Grip)」といった素晴らしいハンドリムを製造しており、日本では「株式会社アクセスインターナショナル(2018年5月に業務終了)」などが輸入販売していて高評価を得ていた製品でした。

中でも、楕円形ハンドリムの外周上に「グリップション(The Gription Strip)」と呼ばれる、ゴム(滑り止め)の帯が一体化されている「サージ・ハンドリム(The Surge Wheelchair Handrim)」は、車いすの操作性と駆動力が格段に向上することから、イフでも人気のアイテムでした♪

サージハンドリム The Surge Wheelchair Handrims
サージハンドリム The Surge Wheelchair Handrims
サージハンドリム The Surge Wheelchair Handrims
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ただ・・・この「サージ・ハンドリム」には大きなデメリットがありまして、、、

実は、その「グリップション(The Gription Strip)」が消耗や劣化した場合、ハンドリム本体と接着剤でガッチリ一体化されてしまっているため “ゴム部分のみの交換が出来ません” 

つまり、<滑り止めゴムの寿命=ハンドリム丸ごと交換> になってしまうのです(汗)

一般的なビニールコーティング・ハンドリムも、<滑り止めゴムの寿命=ハンドリム丸ごと交換> には違いないのですが・・・硬質アルマイトが施されたサージ・ハンドリムの側面部分はまだ使える状態であっても、ゴムが劣化したことで高価なハンドリムを丸ごと交換しなければならないのは、かなり残念でお財布にも優しくありません。

それ故に、お客様にお薦めしきれないジレンマで悶々としていたとき・・・2018年9月にイフで開催した「オットーボック車いすの体験試乗会 」にて、日本には未だ正式に輸入販売されておらず、オットーボック・ジャパンにて現在評価中という(マル秘の)ハンドリムに出会いました!

そのハンドリムこそが、後に大ブレイクすることになる『カーボライフ・ハンドリム 』だったのです!

カーボライフ・ハンドリム carbolife

この『カーボライフ・ハンドリム』は、ドイツのカーボライフ社 (CarboLife )が人間工学に基づいて設計・開発した革新的な車いす用のハンドリムで、使う方の身体状況や手の大きさ、使用目的などに合わせて、日本では7種類の異なるラインナップから好みの製品を選択することができます。

それぞれの製品の特長や優位点は各商品の紹介ページや動画などをご覧いただくとして、「サージ・ハンドリム」に代わってイフがお薦めするカーボライフ社のハンドリムは「ゲッコ 」と「ゲッコS 」です!

この2つのハンドリムは、革新的な逆三角形の断面形状を持つ「カーブ 」の外周上に「シリコンバンド(シリコーングリップ)」を配置したイメージの製品で、その「シリコンバンド(シリコーングリップ)」は交換可能のため、高い機能性と快適性を長期間保つことができるという優れものなのです!

 

ここまで、すっかり前置きが長くなってしまいましたが・・・

新たに「ゲッコ」や「ゲッコS」への交換を希望される方には何も迷うことはありませんが・・・問題なのは、これまで「サージ・ハンドリム」を装着して慣れ親しんでいた方が、これらのカーボライフ・ハンドリムに変更する場合です。

当然のことながら、「サージ・ハンドリム」と「ゲッコ/ゲッコS」は似て非なるモノのため、その違いを数値だけで計り知ることは難しく、実際に試用(デモ)などをして確かめるのが一番なのですが・・・車いすのクッションなどとは違って、その試用(デモ)は簡単ではありません。

そこで今回、現在進行形でハンドリムの交換を検討されている、宮城県にお住まいのS様のために、今お使いの「サージ LT」と「ゲッコ/ゲッコS」を比較して情報提供させていただくことになりました!

まずは、グリップション(ゴム)が消耗して廃棄処分となった「サージ LT」をイフの宝箱(倉庫)から引っ張り出してきました。

楕円形ハンドリムの外周上に「グリップション(The Gription Strip)」と呼ばれる、ゴム(滑り止め)の帯が一体化されている「サージ・ハンドリム(The Surge Wheelchair Handrim)」
楕円形ハンドリムの外周上に「グリップション(The Gription Strip)」と呼ばれる、ゴム(滑り止め)の帯が一体化されている「サージ・ハンドリム(The Surge Wheelchair Handrim)」
楕円形ハンドリムの外周上に「グリップション(The Gription Strip)」と呼ばれる、ゴム(滑り止め)の帯が一体化されている「サージ・ハンドリム(The Surge Wheelchair Handrim)」
楕円形ハンドリムの外周上に「グリップション(The Gription Strip)」と呼ばれる、ゴム(滑り止め)の帯が一体化されている「サージ・ハンドリム(The Surge Wheelchair Handrim)」
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尚、サージ・ハンドリムには「サージ(The Surge)」と「サージ LT(The Surge LT)」というサイズ(側面の幅)が異なる2種類の製品があり、それぞれのハンドリムの側面の幅(ゴムの厚みを除いた長さ)は、サージ が[1_1/2インチ(約38.1mm)]で、サージ LT は[1_1/8インチ(約28.6mm)]となっています。

サージハンドリム The Surge Wheelchair Handrims

※それぞれの寸法は、ゴム部分の厚みは除いたものになっています

 

で、さっそく「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)

「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
「サージ LT(The Surge LT)」を躊躇なく(満面の笑顔で)ぶった切りました(笑)
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じゃ~ん!「サージ LT(The Surge LT)」の断面です!

アウトフロント サージ LT(The Surge LT)ハンドリム の断面
アウトフロント サージ LT(The Surge LT)ハンドリム の断面
アウトフロント サージ LT(The Surge LT)ハンドリム の断面
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写真の左側が車いすの外側だった方で、グリップション(ゴム)が擦り減っているのが確認できます。(←この減りが原因で、ハンドリムを丸ごと交換することになってしまいました(汗))

ハンドリム本体に接着剤でガッチリくっついている グリップション(ゴム)を剥がしてみました。

アウトフロント サージ LT(The Surge LT)ハンドリム の「グリップション(The Gription Strip)」ゴムを剥がしてみました

この グリップション(ゴム)だけをメーカーが補修部品として供給してくれれば、イフで使っている強力接着剤で再取付できるのですが・・・残念です(泣)

さておき・・・

まずは、サージLTとカーボライフ社の「ゲッコ 」を比較してみました。

「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社のと「ゲッコS」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社のと「ゲッコS」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコ」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコ」との断面比較
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ハンドリムタイプ サージLT ゲッコ
横幅 約19.24mm 約24.79mm
縦幅(ゴム部含む) 約29.86mm 約32.19mm

「サージLT」より「ゲッコ」の方が一回り大きい寸法となっていますが、5mmほど広い横幅と特徴的な逆三角形の断面形状により、かなりボリュームがあるように見受けられます。

また、特筆すべきはゲッコ専用の「シリコンバンド(シリコーングリップ)」の大きさで、サージLTとは比較にならないほど幅が広く、これを見るだけでかなり安定したグリップ力が期待できそうです!

続いて、サージLTとカーボライフ社の「ゲッコ S 」の比較です。

「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコS」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコS」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコS」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコS」との断面比較
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ハンドリムタイプ サージLT ゲッコS
横幅 約19.24mm 約19.31mm
縦幅(ゴム部含む) 約29.86mm 約23.96mm

ほぼ同一の横幅となる「サージ LT」と「ゲッコS」ですが、特徴的な逆三角形の断面形状により、かなり小さく感じられます。

ゲッコS専用の「シリコンバンド(シリコーングリップ)」は、サージLTと同じようなサイズ感ですね!

「ゲッコ」と「ゲッコ S」を比較してみました。

カーボライフ社のハンドリムは「ゲッコ」と「ゲッコS」の断面比較
カーボライフ社のハンドリムは「ゲッコ」と「ゲッコS」の断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコ」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコS」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコ」との断面比較
「サージ LT(The Surge LT)」とカーボライフ社「ゲッコS」との断面比較
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ハンドリムタイプ ゲッコ ゲッコS
横幅 約24.79mm 約19.31mm
縦幅(ゴム部含む) 約32.19mm 約23.96mm

ゲッコとゲッコSでは、ハンドリム本体のサイズだけではなく、「シリコンバンド(シリコーングリップ)」のサイズもそれぞれ異なる専用品が採用されていることが確認できます。

ゲッコとゲッコSのどちらを選択するか迷った場合、手の大きな男性の方は「ゲッコ」、手の小さな女性やお子様などは「ゲッコS」などという基本的な選び方もありますが(それも重要な要素ですが)・・・

より高いグリップ(駆動力)を得たい方や、ハンドリムの側面を使ったハンドリング性を重視する方は「ゲッコ」をお選びいただき、

一般的なハンドリムからのステップアップや、ハンドリムをしっかり握ってコントロールしたい方は「ゲッコS」をお選びいただく、などという考え方もございますので、好みに応じてご検討いただければ幸いです。  

 


断面比較をしていて、「そうだ! 普通の(一般的な丸形の)ハンドリムも比較してみよう!」と思いつき、松永製作所様のアクティブ車いすシリーズMP(Max Performance)に採用されている「アルミ製」と「ビニールコーティングアルミ製」の2タイプつのハンドリムも、ぶった切ってみました。

松永製作所様のアクティブ車いすシリーズ「MP(Max Performance)」に採用されている「アルミ製」と「ビニールコーティングアルミ製」の2タイプつのハンドリムも、ぶった切ってみました。
松永製作所様のアクティブ車いすシリーズ「MP(Max Performance)」に採用されている「アルミ製」と「ビニールコーティングアルミ製」の2タイプつのハンドリムも、ぶった切ってみました。
松永製作所様のアクティブ車いすシリーズ「MP(Max Performance)」に採用されている「アルミ製」と「ビニールコーティングアルミ製」の2タイプつのハンドリムも、ぶった切ってみました。
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アルミ製 直径=約19mm
ビニールコーティングアルミ製 直径=約22mm

すべてを並べてみると、その違いが一目瞭然です!

各種の車いす用ハンドリムの断面比較
各種の車いす用ハンドリムの断面比較
各種の車いす用ハンドリムの断面比較
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それぞれ異なるサイズや形状だけではなく、パイプ肉厚の違いなどもご覧いただけます。

それにしても・・・カーボライフ社製のハンドリムの素晴らしい “アルミニウム合金の成形技術” には驚きを超えて感動するばかりです!!

 

最後に、ハンドリムの間隔について考察します。

輸入販売元の公表値(手元の資料)によると、調整可能なリム間隔は次の表のようになっていますが・・・

ハンドリムタイプ 調整可能なリム間隔
サージ ・ サージ LT 10mm / 15mm?/ 20mm?
ゲッコ ・ ゲッコ S 12mm / 22mm?

これらの寸法は・・・微妙にあてにならないかもしれません(笑)

例えば、こちら ↓ の写真は、以前 サージLTのタブをカットして、リベットタイプに改造した際の記録写真です。 狭い方の穴は一つで、広い方の穴は長穴になっていて5mmくらい可変できそうですが、狭い方の穴と長穴の間隔は10mmくらいありそうなので、10/15/20mmというのは間違っていると思われます。

サージハンドリムのタブをカットした

以前、サージ LTのタブをカットしてリベットタイプに改造した際の記録写真

こちら ↓ は、松永製作所様のアルミハンドリムで、ツメ間隔が5/10/15mmを選択できるようになっていますが、しっかり5mm間隔で(穴同士が被らないように左右に位置をずらして)穴があいているのが確認できました。

松永製作所のMP車いすのアルミハンドリムのタブ穴を計測

ただし、同じ松永製作所様のビニールコーティングハンドリム(アルミハンドリムの上にビニールコーティングがされたもの)と比べてみると、タブの長さや穴の位置は同じですが、実際にホイールに装着した場合、コーティングの厚み分だけリム間隔は狭くなってしまうため、リムとの間隔は5/10/15mmにはなりません。

松永製作所のMP車いすのハンドリムの比較

次は、カーボライフ社のゲッコとゲッコSですが、輸入元のオットーボック・ジャパン様のカタログ表記では12/22mmとなっていますが、二つの穴の間隔を計測すると、約8mmであることが確認できましたので、12/20mmが正しい数値かもしれません、、、

カーボライフハンドリム ゲッコのタブ穴の間隔

ゲッコSと松永製作所のアルミハンドリムを重ねてみると、松永製作所でいうところの10mm(中央の穴)より若干ゲッコの方が広いことからゲッコSの狭い方の穴(リム間隔)は約12mmと推測しました。

アルミハンドリムとゲッコのタブの穴位置比較

サージLTにタブが付いている写真はイフでは撮影していませんが、宮城県のS様からいただいた写真では、SPINERGYホイールに装着されたサージLT(狭い方の穴でセット)のリム間隔は約10mmになっているようでした。

サージLTをSPINERGYホイールに装着した状態のリム間隔

宮城県のS様から提供していただいた写真

 

ここまで「リム間隔(ホイールリムの外側からハンドリム内側までの距離)」が “何ミリにセットされるか?” という観点で考えていましたが・・・そもそも、ハンドリムを装着するホイールによって その数値(リム間隔)は変わってしまいます(笑)

ホイールの銘柄(メーカーやタイプ)、構造(リムハイト)、幅(リムサイズ)によって、当然のことながらその間隔は変わってくるため、あくまで一つの目安の数値にすぎないのです。

事実、カーボライフ社 (CarboLife )や アウトフロント社(Out-Front)のウェブサイトや、欧米の車いすメーカー各社のオーダーフォームを確認しても、[ナロー(狭い)]か[ワイド(広い)]の選択肢がある程度で、リム間隔が何ミリという表記は見当たりません。

これ(リム間隔を数値で表現する)・・・日本独自の慣習なのかなぁ。。。と思いながら、勉強も兼ねて JIS(日本産業規格)の 手動車いすに関する規格[JIS T 9201-2006 ]なども再チェックしてみましたが、<ハンドリム取付間隔(W2)= 駆動輪リム外側とハンドリム内側との間隔> という文言があるだけで、その寸法についての記述はありませんでした。

また、日本では?ハンドリムの間隔は極力狭めが好まれる傾向があるような気がしていますが、欧米人が格好良く座って写っている車いすの写真などをみると、ハンドリムの間隔はそれなりに広めにセットされているように見受けられます。

カーボライフ・ハンドリムを取り扱い初めた当初、輸入元のオットーボック・ジャパンの担当者であるN氏に「もう少し狭いリム間隔になるような穴設定は無いんでしょうか?」と質問したことがありますが、カーボライフ社の見解(返答)としては「そんなにリム間隔を狭めてしまうと、せっかくの高性能ハンドリムの意味が無くなるよ」「日本人はなんでそんな狭い(リム)間隔にこだわるのかワカラナ~イ」とのことでした。

また、N氏からは「ハンドリムを語るとき、つい『握りやすさ』という表現が広まってしまうのですが、私としては『いかに握らなくていいか?』というのがカーボライフの真骨頂と考えていまして、そのためにはある程度のリムとの間隔が要るのかなと思っています(とはいえ、住環境との適合も大切ですよね…)」というお話もいただいております。

その後もいろいろと勉強していく中で、パンテーラ・ジャパン株式会社、でく工房や無限工房などの設立者であり、数々のシーティング関連の著書を執筆されている「光野 有次」氏のブログ「光野有次の気分はバリアフリー 」の 2008.2.8の記事を拝読して、なるほど~♪ と更に理解が深まりました。

漕ぐときに、座る姿勢との間で、いちばん力の出せる位置にハンドリムが来るように設定(設計)するわけですが、その条件の下で、ハンドリムとタイヤとの間の間隔はどうあったらいいでしょうか。

 ~中略~

まず、この間隔が狭すぎるとダメですね。 親指の付け根の骨(舟状骨)が、しっくり乗ることができません。すると、どうなると思いますか?この状態でハンドリムを操作しようとすると、無理して掴まなければなりません。その動作は肩にとても負担がかかります。そのことを10年もやっていれば、たぶん肩に大きなダメージを残すことになります。研修でわかったこと – ハンドリムの間隔 | 光野有次の気分はバリアフリー より

 

とはいえ・・・日本家屋は狭い(汗)

車いすのハンドリングを重視してリム間隔を広げていくと、快適になる反面で、通れなくなる建具(ドア)などが出てくる可能性もあります。

百歩譲って自宅はなんとかなったとしても、馴染みのお店や行ったり、ビジネスホテルなどに宿泊する際に、“その数ミリ” が災いして断念しなければならないようなシチュエーションにも出くわしかねません(汗)

TPOに合わせて車輪やハンドリムを交換できれば最高なのですが、多くの方はそうではないかと思いますので、ハンドリム変更に伴う車いすの全幅の変化には注意する必要があるかと思います。

そこで、参考用として、サージ LTをナロー(狭い方の穴位置)でセットした状態から、ゲッコ/ゲッコSに変更して同じくナローでセットした場合の増加量を簡単な表にしてみました。

  ゲッコ ゲッコ S
ハンドリム間隔 +2mm +2mm
ハンドリムの幅 +5.55mm ±0mm
片側車輪の増加幅 +7.55mm +2mm
車いすの全幅増加 +15.1mm +4mm

この増加量が許容されるのか?

それとも、ゲッコ/ゲッコSのタブ穴に追加加工を施して、より狭い位置でセットして車いすの総幅を抑えるべきか?

ワイド側(の穴)は使わないとして、余りタブをカットしてしまってよいのか?

ここまでの内藤の個人的な考察と計測値を参考にしていただき、じっくり検討していただければ幸いですので、どうぞよろしくお願いたします。

カーボライフ・ハンドリム「ゲッコ」

 


宮城県のS様、いかがでしたでしょうか?

比較資料を作成するのに、1~2週間時間をくださいとお伝えしてから、すっかり2週間以上経過してしまいましたが(汗)、ゲッコ or ゲッコ Sのどちらを選択するか? タブの穴を追加加工をするかしないか? などを検討するための参考になりそうですかぁ?

引き続き、打ち合わせは個別にLINEでさせてくださいますようお願いいたします!

あ、もしよければ、この記事のコメント欄 ↓ ↓ ↓ に感想などを書いていただけると、超嬉しいです(笑)


2023.7.11 追記

カーボライフ ハンドリムの導入を検討しているお客様から次のような連絡をいただきました。

これまで The Natural fit を愛用してきたのですが、壊れてしまいました。とても気に入っていたのですが、1点、重いというのが難点でした。今回、貴社の記事でこのモデル(ゲッコ)が良さそうだと思ったので購入してみたいと思います。軽量でしょうか?

カーボライフ社のハンドリムは、いずれも優れた製品ですが、特に軽量を謳っているものではありません・・・

アウトフロント製品もカーボライフ製品も、その形状から一般的な円形のアルミやチタンハンドリムと比較すると、やや重たい? という認識はありましたが、肌感覚の重いor軽いの感じ方は個人差があることや、両者の重量をマジマジと比較したことが無かったため、これを期に比較表を作成してみました。

各重量はメーカーのカタログに記載されている参考重量のため実際とは異なる可能性もありますが、一つの目安としてご参照いただければ幸いです。

メーカー 製品名 ゴム 参考重量
アウトフロント ナチュラルフィット(The Natural-Fit) 約680g
ナチュラルフィット LT(The Natural-Fit LT) 約567g
カーボライフ カーブ L 約498g
カーブ 約348g
アウトフロント サージ(The Surge) 約567g
サージ LT(The Surge LT) 約454g
カーボライフ ゲッコ 約679g
ゲッコ S 約509g

※カーボライフ社製品の重量は、24インチ・6タブの場合の参考値です。
※アウトフロント社製品の重量は、どのサイズの参考値なのか不明です。
※参考重量はメーカーの公表値です(実測値ではありません)

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