皆さまは『パンテーラ(Panthera)』というスウェーデン製の車いすをご存知ですか?
知らない・・・という方のために、パンテーラ・ジャパン株式会社 様のホームページから、その生い立ちに関する記述の一部を引用させていただきました。
スウェーデンのパンテーラ社の創業者は、もとはバイクのレーサーだったJalle Jungnell(ヤッレ・ユングネル)。
1976年、レース中の事故で胸髄損傷(Th5)を負った彼がスウェーデンで始めた事業は、「自分が乗りたい車椅子を作る」というものでした。
1979年にヨーロッパで初めての固定フレーム車椅子「JPS」を開発。
1983年には、モジュラーシステムのスポーティな軽量車椅子「Spinner(スピンネル)」を発売し、ヨーロッパで大人気。そして1989年、パンテーラ社を独自に設立し、「パンテーラ」の発売を開始します。
この新しい車椅子を開発するに当たって、できるだけ軽い力で動く車椅子そして、長時間快適に座ることができる車椅子をめざしました。
パンテーラ社創業から約30年の歴史の中、今もなお独創的な進化を続け、快適で疲れない、体にフィットする軽量な車いすの代名詞と言っても過言ではない車いすが「パンテーラ」なのです!
それ故に、イフで取り扱いをさせていただくことを以前から切に願っていましたが・・・パンテーラの販売をするためには専任講習会(研修会)を受講し認定していただく必要があり、なかなかタイミングが合わず今に至っていたのです。
そんなある日、パンテーラ・ジャパン株式会社 の営業担当であるT氏から「帯広に伺って講習会をすることが出来そうですが、いかが致しましょう?」という驚きの電話が入りました。
勿論、二つ返事で「是非ともお願いします!」と即答したのは言うまでもありません。。。
驚きの電話から一ヶ月後、待ち望んでいた日がようやく訪れました。
水戸ナンバーのハイエースに、パンテーラ車いすを満載してご来店してくださったT氏に感謝!
いろいろなタイプのパンテーラ車いすが続々とお目見えしてきました。
学童用に開発された Banbino(バンビーノ)や、幼児のための Micro(ミクロ)も登場。
木戸口(きどぐち)工場長も、パンテーラ車いすの創りには興味津々です。
今回、研修会の講師を務めてくださる、パンテーラ・ジャパン株式会社 のT氏。「さあ、今日は長い一日になりますので、さっさと研修会を始めますよ〜!」と・・・
その、にこやかな笑顔の奥には鋭い眼光が・・・(-д☆)キラッ
パンテーラの販売をするために必要な研修会は、全8時間近くにおよぶ濃いものです。
座学にてパンテーラの製品構成やその仕組み・人間の姿勢の仕組み・それに対応するパーツの仕組みを学び、その後、実際にパンテーラ車いすを使った調整作業、パンテーラ車いすの操作確認、車載のチェックなどを経て、最後に実際にオーダーフォーム(パンテーラの注文書)に記入する試験などもあるという、かなり盛り沢山な内容となります。
さっそく座学スタートということで、パンテーラ車いすに座りながら研修がスタートしました♪
担当のT氏はとても優しく、座学中にちょっとでも気を抜くと・・・すかさず車いすに関する理解度を試す質問が投げかけられます(汗)
実際に詳細を確認させていただくパンテーラ車いすは、ホームページやカタログ、HCR国際福祉機器で拝見して理解している以上に凝った創りとなっており、なるほど!と頷くばかりです。
内藤が推奨するヤマハのJWX-2を装着したモデルもあり、状況によっては最強の組み合わせと感じました♪
パンテーラは憧れだけど、足台固定では移乗が難しい・・・という方には「S3 swing」がお薦めです!
前モデルからスウィング機構が改良されさらに軽量になり、4度の座面角度とシートユニット調節機構によって、より良い姿勢作りが可能。スウィングイン・アウト、取外しが可能なレッグレストは移乗や移乗先へのアプローチもしやすく、脚駆動の妨げにもなりません。高操作性を備えた脚駆動も魅力な、世界最軽量スウィングタイプの車いすです♪
ニューサイドガードはこのように柔らかい素材で、肘を乗せても痛くなく、サイドガードごとタイヤを掴んだプッシュアップや移乗動作が可能な優れものです。
S3のキャスターも創造性豊かな優れものです!
キャスター車輪中央付近の凸部(デモ車はかなり減っていますが・・・)が通常走行時に路面に接地する面で、最小限の接地面とすることで軽快な動きを可能とし、柔らかい路面などではキャスターゴム全体が接地して埋まりづらい構造となっています。
加えてベアリングを覆うような形のカバーが装着され、髪の毛などの異物が巻き込みずらくなっています♪
このS3キャスターはパンテーラ社のホームページで動画解説がされていますので、是非ともご覧ください。
>> PANTERA S3 TECHNOLOGY:CASTOR & FORK
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パンテーラに装着されているハンドリムは、内藤のお気に入りの一つです♪
一見すると普通のハンドリムですが、よくよく見ると爪の部分に曲げがあり、通常よりワンサイズ大きなハンドリムが装着されているのです!これにより漕ぐ力が軽くなるという、まさに目からウロコですね。
研修会中につき、写真撮影出来ていないシーンが多々ありますが、パンテーラについて、かなぁ〜り深いところまでその秘密を学ばせていただくことが出来ています。
攻められてばかりでは悔しいので、イフから逆に車いす用のスタットレスタイヤ「ささら」を紹介しているところです(笑)
そうこうしている最中に新規のお客様がご来店。パンテーラだらけの異様な光景?に一瞬戸惑いつつも・・・
気づけはパンテーラに座らされていました(笑)
いままで経験したことのない不思議な感覚ですね〜と、パンテーラ初試乗を体験していただくことが出来ました♪
お客様が帰られた後は研修会再開です。
実際にパンテーラを分解&調整しながら、お互いにシーティングをあれこれ調整し、その後は大試乗会で車いす操作体験(練習)。片手駆動やキャスター上げ、段差の乗り降りなどをさせていただきましたが、いずれもイフさん日常的に慣れ親しんでいることに加え、パンテーラ車いすがとても扱いやすことから難なくクリアー!(実技だったので写真撮影してませんでした(汗))
で、この流れの一貫で、重要な車載についての検証です!
ここは福祉車両を製造しているということもあり、また一人ひとりのお客さまに合わせたアドバイスをさせていただくために、まずは自分たちでしっかり体験(検証)いたしました。
想像やイメージ以上にその積み込みの容易さにビックリです!
チタンフットレストは車いすを逆立ちさせる際にしっかり安定したバランスをキープし、タイヤを外した後のフレームの軽さは数値以上に軽く、フレーム下部の重心位置にあるパイプを持つことで車いすを自由自在にコントロールできるなどなど、正直驚きの連続でした・・・ ヮ(゚д゚)ォ!
握ることが出来ないユーザーをイメージしての積載チェック!
タイヤを片輪だけ外した状態での積み込みチェック!などなど、研修会はそっちのけ?でいろいろ試させていただくことが出来ました♪ これ・・・ネットやカタログだけでは全然その良さや容易さがわかりませんので是非とも皆さまに体験してみて頂きたく考えています。。。
ここまで順調の研修会が進んただめ、更にディープな部分を掘り下げて学ばせていただいています♪
パンテーラは、一見するととてもシンプルですが、実は無駄がない位置に調節の仕組みがたくさん仕込まれているのが面白いところで、そこを強く主張しないのが渋くて通好みですね♪
研修会が終盤に差し掛かったころ、いつもお世話になっているA氏がふらりと遊びに来てくれました。
現在イタ車を検討&打ち合わせ中のA氏でしたが、パンテーラも再検討していただくべく、さっそく試乗していただき、今日学んだシーティングを実施♪
いつもシビアな感性で検証してくださるA氏のコメントは、なるほど〜と逆にこちらがうなずかせていただきました♪
最後に皆で記念撮影 (^_^)v
あ、カメラマンになってしまった木戸口チーフメカも終日研修会に参加し、無事に修了証書を受け取らせていただきましたのでご安心ください(笑)
(2017.8.4 追記)
この講習会が修了してから約一年後、イフにてプチ試乗会を開催させていただきました♪