8月2日(火)の夜に「シークレットイベント」改め「パラスポーツ用車いすなどの体験会」を開催して、大盛況のうちに終了することができました♪
ご協力いただいた沢山の方々に、この場をお借りして感謝申し上げます。
体験会を開催するキッカケは、日本でのハンドサイクル輸入のパイオニアであり、海外の素晴らしい車いす関連アイテムを豊富にラインナップしている「株式会社テレウス 」が、2021年の秋から輸入販売を開始した「PETRA Frame Runner™(ペトラ・フレームランナー)」でした。
テレウスの営業担当であるホーリー氏とのやり取りの中で、「イフのお客様に是非ともフレームランナーを体験して欲しい」というラブコールがあり、昨年からその機会をうかがっていました。
時を同じくして、日本を代表する車いすメーカーである「株式会社オーエックスエンジニアリング 」のI氏からは「イフさんで行っている、パンテーラやオットーボックの体験試乗会を、オーエックスの車いすでもやりませんか?」という嬉しいオファーをいただいていました。
いつもであれば、すぐに行動に移すところですが・・・新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、感染力が高いオミクロン株の猛威により急速な勢いで感染拡大が進んでおり、一向に予断を許さない状況が続いています。
イフの狭い工場では「三密(密集、密接、密閉)」になるのは火を見るよりも明らかで、フレームランニングを思う存分に堪能するにも無理があります・・・
一昔前に催した「ハンドサイクル体験会」のように、比較的感染リスクが少ないとされている屋外で開催することも検討しましたが、開催当日に雨が降ったら一巻の終わりです(汗)
二の足を踏みながらも、何か良い方法はないものだろうか?・・・と、思案を巡らせていたある日、電動車椅子サッカー選手のYuske君 が、総合体育館で自主練習をしているという話を耳にしました。
帯広市の新総合体育館「よつ葉アリーナ十勝 」では、毎週火曜日の夜に【パラアスリート枠】と称して、障がい者スポーツのためにメインアリーナの一部が解放されているのです。
これだ
イフで体育館を専有(貸し切り)せずに、そのパラアスリート枠に便乗する形であれば、諸々のリスクや懸念事項を払拭できると閃きました!
そこから、十勝のパラアスリートや NPO法人みんなのポラリス の協力を得ながら、体験会開催に向けて着々と準備や調整を進めていきました。
体験会の趣旨に賛同して、体験アイテムを体育館に持ち込んでくださるメーカーは、少数精鋭の5社
- 株式会社テレウス (千葉県)
- 株式会社オーエックスエンジニアリング (千葉県)
- オットーボック・ジャパン株式会社 (東京都)
- 株式会社ミキ (愛知県)
- パンテーラ・ジャパン株式会社 (茨城県)
コロナ禍ということや、専用(貸し切り)イベントではないことなどから、大々的な告知はせず、ホームページのニュース記事もパスワード付きの限定公開として、身近な方にお声をかけさせていただき、程よい人数で静かに楽しむことになりました。
閃きから数ヶ月が経過し、あっという間にイベント当日です!
各メーカーさんも、この日に合わせて帯広入りしてくださり、体験アイテムの搬入作業が始まりました。
駐車場では、先日イフに来店されて「これから自動車運転を再開したい」と相談があったお客様にお越しいただき、次々と訪れるユーザーさんを紹介して、車いすの積み下ろしや乗り降りの様子、愛車の運転補助装置などをご覧いただきました。
余談ですが、帯広市総合体育館の正面玄関前には[車椅子専用駐車場]が8台分あり、雨や雪に濡れることなく館内にアクセスできます。(その他に、隣接する[おもいやり駐車場]が6台分)
2020年2月29日にオープンした新しい帯広市総合体育館は、ネーミングライツを「よつ葉乳業」が取得して「よつ葉アリーナ十勝」という愛称がつけられました。
北海きたえーる(札幌)や函館アリーナ(函館)に次ぐ道内3番目の規模を有し、帯広・十勝地方のスポーツ活動の拠点となることが期待されています。
メインアリーナのサイズは、46m×61mの2806㎡。フットサル2面、バスケ3面、バレー3面、テニス3面、バドミントン15面を、メインアリーナだけで確保できる広さです。
そのメインアリーナのAコートでは、体験会の準備が着々と進められています。
ボッチャ体験コーナーを担当してくれる「ポラリスとかち 」の有志により、ボッチャのコートが作られていきます。
開催時間(パラアスリート開放枠)となり、徐々に来場者が増えてきて、あちこちから「久しぶり〜!」「元気だった?」という声が聞こえてきました。
初対面の方々には、内藤が仲人(なこうど)1 となって、新たな出会いが生まれています。
帯広畜産大学のSさんは「障害の有無に関わらずみんなが楽しめるイベントを開催したい!」と考えていて、人脈作りと勉強のために参加。内藤が水先案内人をさせていただきました。
各メーカーの達人たちもスタンバイOK! エントリーモデルのスポーツ用車いす「Multisport(マルチスポーツ)」に座って、カメラ目線で余裕の笑みを浮かべているホーリー(笑)
体験会の一番乗りは、可愛らしい小学生のAkiさん♪ 初めて乗った電動車いすを上手に操っていました。
この電動車いす「Wingus(ウインガス)」は、6月にオットーボックさんからお借りしたデモ車で、無理を言って返却期限を体験会まで延長してもらったものです。
北海道に初上陸した「フレームランナー ペトラ 」の初試乗(切り込み隊長)は、日本パラパワーリフティング連盟強化指定選手の斉藤伸弘さん!
昔はチューニングカー2 でサーキットを爆走していた斉藤さんとは古い付き合いで、「俺はいいよ」と言いつつも、マシンセッティングを重ねるごとに周回スピードを上げて体育館を爆走していました(笑)
daiさんは、ハンドサイクルに興味津々。愛車の赤い「パンテーラS3 」に、STRICKER(シュトリッカー) 社製の「シティ・セブン 」を装着して、アダプタータイプのハンドサイクルに初チャレンジ!
元ラガーマンのdaiさんは、見た目の体型とは裏腹に? 握力がほとんど無いため、イギリス生まれの握力補助具「アクティブハンズ グリップエイド 」を使って両手をグリップに固定。ホーリーがdaiさんに合わせて調整していくと、どんどんスムーズな動きに激変していました!
コンシェルジュ内藤は、「オーエックスエンジニアリング 」の車いすと「CROSSWHEEL(クロスウィール)」を説明中。
クロスウィールは、オーエックス製の車いすに簡単にインストール(装着)できる “着脱式のフロントホイール” です。
車いすの説明は、オットーボック・ジャパン株式会社 モビリティソリューションズ事業部の中島さんにバトンタッチ! ottobock.の車いすを使ったテクニックセミナー?が繰り広げられていました。
エンジニアとして歴代のパラリンピック修理サービスに携わってきた経歴をもつ中島さんが、一人ひとりに丁寧に車いすの説明などをしてくださりました。
小学生のAkiさんは、ottobock.の小児用車いす「アバンギャルド ティーン2 」を試乗。「動かすのはちょっと大変だけど楽しい♥」と笑みがこぼれていました。
体験会当日に急遽参加(乱入)することになったパンテーラ・ジャパンのT氏は、「パンテーラ U3 」ユーザーのNさんとシーティング談義で盛り上がっていました♪
イタリアの「Aria Wheels」を検討中のMさんに、巧みな話術で「パンテーラ」を紹介するT氏。イタリア vs スウェーデン、勝敗の行方は如何に?!
その傍らで、フクちゃんは・・・量産される車いすでは世界最軽量(4.4kg〜)の「PANTHERA X(パンテーラ・エックス)」(基本価格¥1,008,000‐)を・・・事もあろうに “筋トレの道具” にしているではありませんか! Σ(゚◇゚;)ゲゲッ
株式会社ミキのU氏が体育館に持ち込んだ “秘密兵器” は、同社のプレミアム車いすブランド FORCE(フォース) の最新作「NOVA_RiseActive(ノーヴァ_ライズアクティブ)」です!
「これからはライフシーンに合わせて、視点(ポジション)を変える。」というコンセプトで開発された、マルチポジショニング仕様で、その未体験ゾーンを味わった方全員から感嘆の声が上がっていました。
セレブな筋トレで、ひと汗もかかなかったフクちゃんもライズアクティブには興味津々。
ライザップならぬ、「ライズアクティブ」にチャレンジした動画をフクちゃんから頂いたので、You Tubeでシャアさせていただきました。
この「ライズアクティブ」を悪用してバスケのシュートを決めるのは・・・ルール違反ではなかろうか?!
車椅子スポーツの代名詞とも言える「車いすバスケットボール」の体験は、同競技のチーム「旭川リバーズ 」に所属する山口さん(帯広在住)が切り盛りしてくださいました。
セレブ マルチ アスリートのフクちゃんは、車椅子ソフトボール3 用の “マイボール” を持ち込んでくれてキャッチボール体験。 このボールは「スローピッチ・ソフトボール4」と同じ16インチ球(通常のファーストピッチ・ソフトボールの12インチ球より一回り大きなサイズ)で、初めて見る方はその大きさと柔らかさに驚いていました。
電動車椅子サッカー(Powerchair Football)5 体験エリアでは、電動車椅子サッカーの日本代表候補に選ばれて、神戸市で行われた代表選考合宿(7月30〜31日)から戻ってきたばかりの町田選手に協力してもらい、その魅力を存分に体験していただきました。
ボッチャ体験コーナーでは「ポラリスとかち 」の有志による、ボッチャの模擬試合で盛り上がっていました。 東京パラリンピックの「スギムライジング」に感動して、一度ボッチャをやってみたかったという来場者は「良い経験が出来た」と喜んでいました。
体験会も終盤に差し掛かり、電動車椅子サッカーの町田選手がハンドサイクルの試乗にチャレンジ! テレウスのホーリーが神業セッティングを重ねるごとに走行速度がアップしていました。
ハンドサイクルは大人気で、試乗希望者が殺到! ホーリーは汗だくで対応してくれていました💦
そこに拍車をかけるかのように、フレームランナーで爆走(デモンストレーション)するホーリー(笑)
その姿を横目で(冷ややかに)見ながら、業界談義をする二人(ミキさんとパンテーラさん)。 普段の福祉機器イベントでは、なかなかこのようにまったり話をする機会もないとか。
広い会場を見渡してみると、いたるところで “雑談” に花が咲いていました。 新型コロナウイルスによる影響が長引く中で、このように集まって話しをする機会が激減していたため、久しぶりに会えたことに喜びを感じ、心がほっこりするひとときでした。
もちろん、内藤も北海道初上陸の「SEATUS_Pro(シータス_プロ)」などを、しっかり体験(チェック)しながら、イベント終了間際まで、皆さんと一緒に楽しみました。
遠路はるばるお越しいただき、多数の体験アイテムを持ち込んでくれたメーカーの皆様には、感謝の気持でいっぱいです。
恙無く体験会が終了し、撤収作業を終えた後は・・・ささやかな(プチ)打ち上げをさせていただきました。。。(朝まで・・・ww)
イベント終了後には、いろいろな方から多数のメッセージが寄せられました。
特に印象深かったのは、「いぇーる in とかち 」で一緒に活動している仲間であるSatoshiさんのSNS投稿で、ご家族でイベントに参加してくださった感想を、そのまま引用してご紹介させていただきます。
2022.08.02 車いす試乗初体験
自身大病した時も車いすには乗らず救急車送りで…生涯一度も車いすに乗ったことがなく、普段どんな景色なのか
ユーザーさんの気持ちなども、身を持って知りたくなり、ステキなお兄さんにご相談したところ、シークレットイベントがあるということでお話し頂きました
丁度愛娘の夏休みで、行きつけの四つ葉アリーナ開催ということもあり、家族総出で参加
ユーザーさんの声を一つ一つ丁寧に聴いて応えた、そんな形態がズラリと並び
人それぞれ違うのを体感出来たこと、『軽さ』という言葉が正しいか分からないですが、重さも走りやすさも回しやすさも、同じように見えて全く違う…生活の手脚となる事を考えると、色んなところに拘りがあり、きめ細やかだなぁと惚れ惚れ愛娘も、最初怖がる素振りありつつも、瞬殺で自分の身体に仕立てた器用さ…飽き性が夢中に2時間乗り回したこと自体、何よりも楽しかったというのは言うまでもなかったです
車いすに乗ってるヒトの気持ちが分かり、ユーザーもノンユーザーも関係なく『みんな一緒』という素敵なひとときと場を頂けたことに感謝です
ご家族で参加してくれたSatoshiさんの facebook投稿を引用
この体験会の様子は、翌朝さっそく「十勝毎日新聞・電子版(会員限定記事)」に掲載されました♪
>> 「レクスポとしても認識を」パラスポーツ用車いすなどの体験会に50人が参加
その日の十勝毎日新聞の紙面では、体験会の様子や参加者の声などを、社会面の記事として大きく取り上げてくださいました。
帯広市の総合体育館(よつ葉アリーナ十勝)を活用した体験会は初の試みでしたが、たくさんの出会いや、素敵な笑顔に満ち溢れたイベントにできたことは、ひとえに皆様のご支援があってこそと感謝しています。
今回は模索しながらのシークレット企画だったため充分な周知ができず、お声をかけれなかった方にはお詫びいたします。
来年は第二弾を企画し、体育館を貸し切るなどして大々的に盛り上げたいと考えていますので、皆様のご参加とお力添えを賜りますようお願い申し上げます。