十勝管内にお住まいのお客様から「所有しているトヨタ・プリウスの助手席を回転シートに改造できないだろうか?」との相談がありました。
詳しく状況をお聞きすると、長年連れ添った奥様が歩くことができなくなり、車いすを使うようになったということ。デイサービスなども利用しているが、お迎えに自らの車で行くことも多く、愛車のプリウスに楽に乗り降りできるようになれば、お互いに気兼ねすることなく、もっと自由に行動できるようになるのだが・・・とのことでした。
お客様は十勝に移り住む前は東京の方でメディア関係のお仕事をされていたとのことで、その昔、福祉車両について詳しく取材をした経験があり、どのような種類があって、それぞれの一長一短など、とても詳しくご存知でした。
そのような背景もあり、話はトントン拍子に進み、イフにて愛車のプリウスに「助手席回転シート」の改造を施工させていただくことに相成りました。
尚、改造に使用する製品(素材)は車種や状況によって僅かですが多少の選択肢がありますが、今回はお客様のケースでは “20系プリウス用に専用設計された回転シートキット” があり、それを用いることで安価&短期間で施工することが出来るということも改造を決意する決め手となりました♪
それから数週間後、改造に使用する部品が続々とイフに入荷してきました。
こちらが20系プリウス用の専用設計された回転シートのベース(土台)部分です。
取扱説明書も完備されており、それに従いテキパキと回転台座を組み付けてゆきます。
そしてこちらがその回転台座の上にセットされる「レカロ・LX-F シート」です♪
今回チョイスした「助手席回転シートキット」はレカロ・ジャパンが監修した福祉車両改造キットで、車種専用設計になっているため、車体を一切改造することなく短時間で装着出来るという優れものなのです!
車種別の土台の上には、お好みのレカロシートを装着するというセットのため、その用途や予算に合わせて臨機応変に仕様を変えることが出来るのです。
補足:よく、今ついている助手席をそのまま使いたい・・・というお話をいただきますが、純正で装着されているシートは土台と一体設計になっているため、このような形でシート丸ごとを交換する必要がございます。
今回お客様がチョイスした「レカロ・LX-F シート」を回転台座にセットしました。
レカロ・LX-Fシートのついては、こちらの記事をご参照ください。
これでお客様をお迎えする下準備作業は全て完了です!
下準備完了の連絡をさせていただいたところ・・・「では、これから伺います」とお客様が急遽ご来店されることになりました。
こちらが改造(シート交換)前の助手席の状態です。
今回の作業予定時間は1〜2時間程度のため、お客様はそのままイフでお待ちいただくこととなり、急ピッチで作業を進めさせていただきました。あっ!という間に、助手席は外され・・・
準備していたレカロシートセットに、車両から外したシートからシートベルト関係の部品を移設したうえで、車両への設置を行いました。
「もう終わったの?!」と驚くお客様に、さっそく助手席に座っていただき、レカロ回転シートの操作方法や使用に際してのコツなどを説明させていただきました♪
こちらが完成したレカロ助手席回転シートです。
運転席と比べると威圧感?!があるように見られますが、体全体を包み込むようなバケットシート構造は、ドライブ時にしっかり体をサポートしてくれるため、とても安楽なんですよ♪
手動により回転させることが出来るシートは、使われる方のペースでゆっくり操作させることが出来るので、実は電動回転シートより人気が高かったりしています。
手動でシートを回転させた後で、シートを15cm程度スライドさせて車外に引き出すことができる構造になっています。このレカロ回転シートには座面が昇降する機能は備わっていませんので、車いすの座面高と回転シートの座席高さに高低差が生じることから万人向けではないかもしれませんが、そこが問題なく使える方にとっては、標準の座席へ乗り降りすることに比べると、座席が回転して車外を向いてくれるだけでも雲泥の差で楽に乗り降りすることが出来るようになるのです。
「福祉車両への改造」や、その改造メニューの一つである「助手席回転シート」などは、あくまで一つの選択肢となりますので、それがベストかどうか?はここでは断言することは出来ません・・・
それ故に、イフではお客様のご要望をじっくりお聞きしながら、一人ひとりに合わせたプランやアドバイスをさせていただいておりますので、些細なことでも結構ですので、お車への乗り降りなどにお困りの際はお気軽にご相談くださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします(^^)