うららかな春の日差しが心地よい某日、とかち管内にお住まいのH様から「除雪機で引っぱれるような車椅子を作ってくれないべか?」との相談をいただきました。
詳しく話をお聞きすると、昨年の冬に “ヤマハの小型除雪機” を購入し、自分の車いすに乗りながら除雪作業を試みたが、なかなか思うようにコントロールすることが出来ず、ヒモで除雪機と車いすを繋いでみるなど試行錯誤をしたが、ギブアップ・・・ダメ元でイフに聞いてみようとなったそうです。
次の冬までにのんびりと考えながら創ってほしいとの優しくも厳しい?ご依頼に甘え、夏の間はまったく手を付けることが出来ず、秋になってから慌てて試行錯誤を始めることに相成りました(汗)
結果(途中経過は省略)、メイク&トライの末・・・じゃーん 完成です♪
メインフレームは全てハンドメイドで製作し、そのフレームの上には前後スライド調整ができるフォークリフト用の座席を設置。
圧雪路の走破性を高めるため、前輪に極太タイヤを装着し、後輪は自在キャスターの小型車輪を配置した3輪構造としました。
ヤマハの小型除雪機の後部には特注で製作したヒッチボールマウントを装着し、ヒッチボールの高さは起伏の激しい雪山を走行しても干渉しない位置に配置しました。
引かれる椅子側にはヒッチカプラーと呼ばれる、ヒッチボールを受ける連結部分を配置して、ワンタッチで簡単に着脱できるような構造とし、オフシーズンなどは除雪機と分離してコンパクトに収納することが出来るように配慮しました。
このヒッチカプラーの受け部分は球状になっているため、除雪機と椅子が上下左右自由に動いても外れない仕組みになっています。この専用椅子が、除雪機の走りに合わせて路面の凸凹やカーブを自由にこなせるのはカプラーのお陰なのです。
納車前の木戸口工場長によるシェイクダウンの模様。 こりゃ快適!(今回はお客さまに合わせて、足台は装着していないので、チト不安定ですが・・・) 除雪能力はバツグンです! v( ̄Д ̄)v イエイ
最終テストを終え、さっそくお客さま宅へ納車に向かいました。
こちら ↓ H様による除雪テストの様子です。さすが、木戸ちゃんの数倍お上手でした!
テスト走行を終えたH様からは、辛口な、でも大喜びの嬉しいコメントがありました。。。
前進は完璧だけど、バックは癖が強いなぁ… まあ、このくらいジャジャ馬の方が俺には似合ってるからOKだな!
まだまだ改良点はありますが、、、まずは無事に納車完了でピースサインをいただきまましたぁ〜♪
その後、H様から「あれ以来、近所の除雪は俺が全部やってるよ」「いつも皆には世話になっているから、このくらい(除雪くらい)恩返ししないとな!」というお話をお聞きし、そんな気さくで素敵なH様の期待に添えるようなアイテムを創らせていただけたことに感謝しております。。。