今年(2017年)の6月に、室蘭市にお住まいのN様が愛車のハイエースを買い替えし、これまで使用していた車いす昇降用リフト装置「Kリフト」を移設させていただいた時の記事はご覧になりましたか?
移設作業に際して、ご家族で来店された時に、イフのデモ車である、松永製作所の「H-MAX」 を息子様が試乗し、大変気に入っていただきました♪
松永製作所のMPシリーズ は、フルオーダー車いすであることは勿論ですが、4種類あるサイドガード(側板)やホイールのチョイスを変えることで、車いすの総幅を意図的に変化させることが出来ることなどを説明させていただき、組み合わせ次第では現状の座幅などを維持したまま、全幅を今より狭めることでハイエースの車内で余裕を出すことができるといった裏技?をご紹介させていただきました。
それから暫く経ったある日・・・
N様から連絡があり、「イフさんにお願いしたら、息子の新しい車いすを作っていただだけるだろうか?」との嬉しい相談をいただきました!
二つ返事で快諾・・・と言いたいところでしたが、帯広(イフ)と室蘭(N様)という遠距離であることから、迅速なアフターが出来ないことを懸念しお伝えしたところ、「これまでの業者も札幌から来ていて、レスポンスは良いとは言い難かった」「イフさんはメールやFacebook、LINEなど、あらゆる連絡手段を用意してくれていて、都度密なやり取りをしてくれるので距離感は感じない」などの嬉しいお言葉をいただきました。
加えて「多少のメンテナンスは自前(お父様が)で出来る」ということと「新たに製作する車いすは、仕事用と日常用の2台を考えていて、万が一、急なトラブルなどがあっても2台をうまく使うことで回避出来る」といったお話をいただき、「ならば、是非ともイフで関わらせてください!」と相成りました。
そうと決まれば、さっそく室蘭市への補装具業者登録(代理受領登録)です!
イフではご縁のあったお客様のお住まいの自治体に都度、登録申請をさせていただいており、北海道内は勿論のこと、実は東京都などにも登録されているのです♪
あっ!というまに登録完了です(笑)
同時進行で、改めて採寸や、現状確認、詳しいご希望等々をお聞きするために、息子様の定期受診に合わせて、札幌の手稲区にある「北海道立子ども総合医療・療育センター(愛称はコドモックル) 」で合流し、主治医の処方も受けながら打ち合わせをさせていただきました。
その後、ご希望に沿ったプランニングをさせていただき、松永製作所様による新しい車いすのCAD図面などをお互いに確認・検証しながら具体的な内容を煮詰めてゆきました。
また、今回はこれまでの背張り調整+パッド挿入ではなく、ソリッド(硬くてしっかりした)バックシステムと呼ばれるシーティングアイテムを導入することとなり、息子様に最も合って快適なタイプやサイズを見出すために各メーカー様から数種類のデモ品を取り寄せて検証させていただきました。
〜途中、かなり端折りますが(汗)〜
それから、2ヶ月ほど経ったあと、新車のH-MAXや各種シーティングアイテムがイフに到着しました!
今回選択したクッションは、それまで使用していたウレタンだけのものに変わって、流動体インサート(ジェル)が特徴の「JAY3クッション」を採用!
写真はセットアップのためにクッションカバーを外した状態で、シーティング部品として組み込んだ内外転防止のパッドが存在感がありますね!
そしてこちらがJ3クッションと同じサンライズメディカルの製品である「JAY3バッグ」で、遥々アメリカからやってまいりました♪
今回、デモ品などの検証結果から選択したこのJAY3バッグですが、その箱の表示(J3 BK PD UT 14W MED SH)を見ると、その筋の方で(マニアックな方)あればピンとくるのですが、実はこれ、日本では正規には流通していないタイプのものなんです!
今回、N様にはどうしてもこのタイプのサポートが最もベストと考えたイフさんは、日本代理店であるアクセスインターナショナル様にお願いして、この日本未流通品のタイプを取り寄せしていただいたのです♪
新車のH-MAXを2台同時にセットアップ作業進行中です。
先程のJAY3バッグを仮装着すること、このような雰囲気になります。
イフがこだわった(日本未流通品を取り寄せた)理由は、この体幹サポートの絶妙な位置にあり、これが通常品だと、もっと上かもっと下の位置に体幹サポートが配置されていて、目指すポイントをしっかり包むことが出来なかったのです。
このホワイトフレームのH-MAXが “日常用” として、普段の足となるメインマシンです♪
そして、こちらのガンメタリックフレームのH-MAXが “仕事用” として職場等で使用するマシンで、それぞれはフレーム色の他にもキャスター車輪径や肘掛け形状など、細かな部分が異なっているのです。
2台並べて、間違い探し(違うところ探し)をしてみませんかぁ(笑)
全てのセットアップ(下準備)が完了し、N様にアポをとり、仮合わせ納車のために室蘭市へ向かいます!
12月の北海道はすっかり雪景色です。
各部を調整しながら徐々にフィットさせてゆきます。
また、同時に移乗動作や漕ぎ具合などもチェックし、最も使い勝手の良い状態に仕上げてゆきます。
この調整作業を2台別々に行い、それぞれ目的に合わせた状態に仕上げさせていただきました。
続いて、愛車ハイエースへの乗車をチェック!
「ご主人様お手製のテラス」は更にグレードアップしていて、あらためて感心させられました。
このテラスを活用することで、リフトのプラットフォーム(床部分)を昇降させることなく、展開してプラットフォームをテラスに橋渡しするだけで、素早く車への乗り降りが出来るのです♪
新しく作らせていただいたH-MAXは、これまでの車いすと座面幅は変わらずに、総幅が5cm以上狭く仕上げているため、車内への侵入も楽々でした!
車内でも余裕があり、一人がけのレカロシートとの位置関係などの相性も狙い通りバッチリでした!!
全ての調整作業や確認などを経て、この時点では大きな問題もなさそうでしたので、このまま仮納車をさせていただくことに相成りました♪
その一週間後、札幌のコドモックルで再び合流し、適合判定を経たあとで、更に微調整をさせていただきました。
更に1ヶ月ほど使っていただき、快調というご連絡をいただいていましたが、2ヶ月ほど経過した時点で、同じくコドモックルでのリハビリに立ち会わさせていただき、新しい車いすが完全に馴染んでいることを確認したうえで、本件は完了となりました。。。
以後も都度、様子伺いをさせていただきますので、末永いお付き合いをお願いいたします(^^)♪
人のご縁って素晴らしいですね!
今回の車いすのお話に至るまでを遡ると、十数年前に江別市のS様との出会いがあり、そのS様の部品を譲り受けたN様がいらっしゃって、そこから更に愛車は進化して・・・そして今回の車いす納車に繋がっていることを、あらためて感銘を受けながらブログ記事を書かせていただきました。。。
皆さまとのご縁には本当に心から感謝しております。。。ありがとうございました!!