前の[ページ1]では、makoさんとの出会いから、Aria Wheels 1.0Mg の仕様決定 〜 イタリアARIAへの発注に至るまでのエピソードを書かせていただきましたが、ここからは入荷 〜 納車までの記録をお伝えさせていただきます♪
通常、Aria Wheelsは、発注してから約45日程度で完成し、イタリアから日本に向けて出荷されます。
日本までの輸送は航空便のため中一日程度で到着し、成田空港の税関を通過するまで数日間、そこから帯広まで中二日で到着(イタリア→東京より遅い(笑))というのがこれまでのパターンでした。
時期的に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るうイタリアでしたが、Ariaスタッフからの「Non preoccuparti(心配しなくても大丈夫!)」という言葉を信じて待つこと一ヶ月半・・・
途中でカーボン部品の入荷が遅れているという連絡がありながらも、大きく遅延することはなく 11月中に完成して、“水の都” ヴェネツィアを出港♪
さっそく、makoさんにイタリアから出荷されたことを報告。12月のご都合のよい時に再びイフに来ていただく予定を組んでもらうようにお願いしました。
そして、一週間後・・・ついに makoさん仕様の「ARIA 1.0Mg」がイフに到着です!!
開封の儀を経て、各部の寸法や仕様に相違がないかを入念にチェック。必要に応じて分解もしながら各部の調整や改造を実施。終始 Aria Wheels 1.0Mg の細部の創り込みの美しさにウットリ惚れ惚れしながらの楽しい作業でした♪
ARIA 1.0Mgにセットするクッションは、Supracor® スティムライト クッション「コントゥアXS」 を採用。発注したサイズは車いすに合わせたものでしたが、更にジャストフィットさせるために細かい調整加工を施しました。
じゃ~ん!セットアップ完了です♪
360度ビュー
この究極の機能美ともいえる、美しいイタリアンデザインのフォルムは、思わずため息がこぼれてしまうほどで、いつまで見ていても飽きることがありません。
とはいえ、車いすはオブジェ(置き物)ではありませんので、その走行性能が気になるところです・・・
今回、特に注目しているのは、2020年7月に新発売された「Aria Smooth® – Shock absorbing forks(サスペンション付キャスターフォーク)」が、どの程度の効果を発揮するのか?という部分でした。
Aria Smooth® プロモーションビデオ
makoさんからは「好きなだけ乗り回してください」「何なら、一度バックドロップ(後方転倒)して傷を付けておいてください(自分で最初の傷を付けるのが嫌とのこと(笑))」という恐ろしい言付けをいただいていましたので・・・ しっかり養生をして、そろり、そろ~り、と初試乗させていただきました!
Aria Smooth® のインプレッションは(長くなるので)ここでは詳しく書きませんが、ラバー系のサスペンション機構を有する製品のようなグニャグニャ感はあまり無く、必要に応じた最小限の働きをカッチリしてくれる感じでした。
これで、全ての納車準備が完了し、あとは makoさんの来店を待つばかりです。
LINEグループのチャットのやり取りでは、クリスマスの日に来帯していただき、Ariaと同じイタリア製の車いす「Progeo CARBOMAX 」を駆るAbeさんが “サンタ コスプレ” でお迎えする・・・というプランもあったのですが(笑)、それよりも早く都合を付けてご来店くださいました。
とかち晴れの12月某日、東京からmakoさんにお越しいただき、イフで納車の儀式が始まりました。
事前に充分な打ち合わせを重ねていても、やはり実際に座って操作してみると、イメージとは微妙に異なる部分が見えてくるものです・・・
そんな時でも、イフの工場での納車であれば、調整作業がスムーズなだけではなく、各種の工作機械やミシンなどを駆使して “オンリーワンの完璧なフィッティング作業” を実施することが可能なのです。
セッティングを重ねるごとに、Aria Wheels 1.0Mg は makoさんの体の一部となっていきました。
余談ですが・・・ わたくし内藤も、木戸口チーフも、前職は HKS(株式会社エッチ・ケー・エス) の、凄腕(←自称)エンジニアをしていて、そこでのレーシングカー製作で培った哲学と特殊技能に基づいた、こだわりの車いす創りをしています。
レースの世界では、肉眼では捉えられない[1/1000mm(1μm)]という数値を追求していた私たちですが、車いすの製作や調整作業でも[1ミリ]単位で寸法を突き詰める努力を怠りません。
この[1ミリ]の違いや、その積み重ねが、使い易さやフィット感にとても影響があることを知っているため、その追求に一切の妥協はせず、時としてそこに数日の時間を費やし実現に至ることもあるのです。
「たかが1ミリ、されど1ミリ」ということを大切にし、実践することが、ユーザーの体の一部となる車いすを提供できるイフの強みなのです♪
さておき、今回の makoさんの来帯にあたり、とかちの仲間達もイフに駆けつけてくれ、その納車の儀式を暖かく(12月はめっちゃ寒かったですが・・・)見守ってくれていました。
本当は、1年前のように皆で「有楽町ジンギスカン 」に行って、美味しい成吉思汗と味噌ホルモンについて談議したかったのですが、コロナ禍の渦中であることから断念、、、 代わりに有楽町からジンギスカンをテイクアウトし、イフの隣の(換気が良すぎる)倉庫で、ささやかな焼肉パーティーをしながら懇親を深めました♪
~ 楽しかった交流会は、惜しまれながらもお開きとなり、皆でmakoさんを見送りました ~
次の[ページ3]では、Aria Wheels 1.0Mg を納車させていただいた後に、makoさんが撮影してくださって素敵な記念写真をご紹介しますので、ご興味のある方は引き続きご覧ください♪