皆さまは「ATV(えーてぃーぶい)」って何かご存知ですか?
ATVは、All Terrain Vehicle(全地形対応車)の頭文字をとったもので、不整地を含む様々な地形を進むことができる原動機付きの車両のことを意味しています。
米国規格協会(ANSI)の定義によると、全幅50インチ(127cm)以下、重量600ポンド(約272kg)以下で、低圧タイヤを装着し、跨座式シートと棒形ハンドルで操縦される車両とされていて、日本ではバギーや四輪バギー、海外ではクアッド、クアッドバイクとも称されているそうです。
ATVはオートバイの技術を流用した車体構成となっていて、ハンドルやシートをなどがオートバイと同様の構造のため、乗車姿勢もオートバイに類似しています。
一昔前は三輪の車種が主流でしたが、転倒事故が続出してアメリカで訴訟問題に発展したことから、しだいに四輪ATVのみの生産となったそうです。
ATVのアクセル操作は、二輪のスロットルグリップを回す構造のオートバイとは異なり、親指で押すレバー式が多く、変速操作はペダル式やハンドレバー式のほか、無段変速機を搭載したものが多く流通しています。
実はこのATVですが、日本では排気量50cc以下のATVは、道路運送車両法上の原動機付自転車における “ミニカー” としての要件を満たしていれば、ナンバーを取得して一般公道を走行することが可能なのです!
そんなATVに憧れを抱いたイフのお客さまから「ATVに俺の車いすを積んで走ることって出来ないべか?」という相談をいただきました。
手動運転装置をつけたマイカーを自ら運転している方でしたが、近くのコンビニなどちょっとした近場に出かける際に、わざわざ駐車場に行って車いすの積み降ろしに苦労しながらクルマで出かけるのは大変なので、玄関先に置いたATVにヒョイっと乗ってさっとお出かけできたら楽なんだけどなぁ…という趣旨の内容でした。
以前から創ってみたい(ATV+車いす搭載)カスタマイズだったこともあり、二つ返事でお受けして、試行錯誤しつつも、案外あっさりと完成しちゃいました(笑)
お客さまの移乗は問題なかったため、走行中に体を安定させるためのハイタイプのバックレスト(背もたれ)を現車に合せて製作し、そのすぐ後ろに車いすの搭載スペースを設け、大車輪がすとんとパイプの内側にハマる構造とすることで、多少の移動であればベルトなどで固定しなくともしっかり車いすが収まるようなものが完成しました♪
完成〜納車後にお客さまは大喜びしていただくことが出来、近場のお買い物だけではなく、趣味で河原での釣りなども始められたとのことで、そのアクティブさにはただただ感動するばかりでした。。。