知人の娘様が運転免許を取得したとのことで「マイカー購入に伴い、アクセルペダルとブレーキペダルの高さを少し上げたい」との相談をいただきました。
時期を同じくして、帯広トヨペット様 の営業スタッフの方からから「お世話になっているお客様の自動車改造について相談したい」「背の低い娘様が安楽に運転できるようにしてほしい」との連絡をいただき、関わらせていただくことになりました。
お客様が購入を希望されている車は「トヨタ・ベルタ(BELTA)」とのことで、同型の試乗車をつかい、お客様立会いのもとペアクセル&ブレーキペダルの延長(嵩上げ)に必要な量や、床側の嵩上げ量をシュミレーションしながら模索させていただきました。
当初は10cmくらい嵩上げしてほしいとの話でしたが、お客様に運転席に着座していただき、ステアリングやシートのポジションを精査したところ、アクセル、ブレーキ共に5cm程度の嵩上げがベストと見切ることが出来ました♪
試乗車による検証から数週間後にお客様の新車がイフに到着♪
ベルタという車名の由来は、イタリア語で「美しい」または「美しい人」という意味とのことで、この新車もその名にふさわしい真紅のボディがとっても素敵ですね♪
実はイフに車両が搬入される前に、帯広トヨペット様にて最終確認をお客様とさせて頂いており、運転座席横のマスキングテープの落書きなどはお客様のベストなシートポジションを記録したものなのです。
改造前のアクセル&ブレーキペダル。
さっそく改造作業開始です!
4種類の微妙に形状が異なる鉄板を切り出しました。
切り出した鋼板は、プレスなどの工作機器を使い、絶妙な曲げ形状をつけました。
〜途中の製作工程は省略〜
ご覧の通り、鉄板には微妙な曲げがあるばかりではなく、上下のプレートでその位置や角度が絶妙にずれていますが、これはペダルを延長した状態で違和感なく快適にペダル操作が可能なように配慮した結果なのです。
仕上げはウレタン焼付け塗装でマットブラック(つや消し黒)に。
塗装が乾燥するまでに間、車両側のペダルに固定用の穴を空けました。
完成した「ベルタ専用・50mm嵩上げペダル」の部品です♪
錆に強いステンレスビスにネジロック(緩み防止剤)を塗布して、完成した嵩上げペダルを取付!
そのペダル表面にはゴム製カバーを装着!
ブレーキは純正の元々付いていたものを再使用しましたが、アクセルペダルは延長ペダルと相性の良い形状のものを新規で装着しました。
これで延長(嵩上げ)ペダルの方の改造はひとまず完了です。
続いて床側を嵩上げするための仕込みをスタイロフォームで製作中。
ボディ床の形状に合わせて成形し、ジグスサンダー等で最終仕上げをします。
スタイロフォームはニードルパンチ生地を貼り付け、中央部分にはマジックテープも配置しました。
ベルタに合わせた絶妙な形状はマジックテープも効果してまったくズレることがありません。
嵩上げの仕込みの上に純正のフロアマットをひくと違和感ゼロです♪
床もこのように嵩上げすることで、踵がしっかり床に付き、安定した運転が可能となるのです。
入庫時にマスキングテープで位置を出していた部分には、ひと目で位置合わせが出来るマークを作成して貼付けしました。ご自身では苦労する座席の前後スライドを他者にお願いする時などに話を伝えやすくなります♪
今回のペダル嵩上改造は“固定式”としましたが、ニーズや状況に合わせて、嵩上部分を着脱可能にすることも可能です。
また延長量(嵩上げ量)が多い場合などは“リンク式”のタイプを選択することが出来ます。
これで余裕のあるドライビングポジションが確保でき、安心&楽に運転が出来るようになりました!
新車納車、楽しみにしていてくださいね〜\(^o^)/