今から遡ること1年ほど前・・・かねてよりSNSで交流のあった兵庫県の車いすマニア(笑)がイフに遊びに来ることになりました。
その車いすマニアであるパンテーラ女子に巻き込まれた感じ?で、東京から TiLite(タイライト)TR を駆る、makoさんが(も)イフに初来店されました。
地元とかちの仲間たちもイフに駆けつけてくれて、皆で時間を忘れて ”車いす談議” に盛り上がること数時間・・・
あ、写真間違えました(汗) これは西帯広(イフの近く)の「有楽町ジンギスカン 」で、美味しい成吉思汗と味噌ホルモンについて談議している写真でした(笑)
こちら ↓ が、イフ交流会の模様です♪
道内屈指の車いすマニアである「COM泉屋(コムイズミヤ)」の泉谷社長も、遠路はるばる旭川からイフに駆けつけてくださり、世界各国の車いすを堪能していただきました♪
余談ですが、泉谷社長から “お土産” として Aria Blueに合わせて作ってくれた[COM泉屋オリジナルの車いすドリンクホルダー]をプレゼントしてくださいました♪
COM泉屋さんのWEBショップ では、お洒落なドリンクホルダーなどがたくさん掲載されていますので要チェックです♪
皆でお互いの車いすの乗り比べなどをしながら、和気あいあいと座談会をしていたところ、イフのお客様の Aria Wheels 1.0 Mg を試乗していた makoさんから、「これ(Aria)とっても座り心地がいいですね~!」「特に背もたれ(Aria® Postural Backrests(ポスチュラル バックレスト))がとっても楽で気に入ったわ ♪」という嬉しいコメントをいただきました。
そして間髪いれず、「これ(Aria)、私も一台作ろうかしら」「せっかくなので、採寸(体を測る)してもらえますか?」とのこと! Σ(・ω・ノ)ノえっ!?
あまりの即断即決に驚きながら、急遽 makoさんのお体を採寸させていただきました(汗)
あわせて、今お使いの TiLite TR も詳細な寸法や仕様を確認させていただきながら、現状の満足点や不満点などをお聞きして、makoさんにピッタリ合わせた「Aria Wheels 1.0Mg 」のプランをじっくり練らせていただくことに相成りました。
~ 大いに盛り上がった交流会は夜まで続き、惜しまれながらもお開きとなり、またの再開を約束することになりました ~
さあ、ここからが本番(本題)です!
善は急げ!と考え、さっそく Aria Wheels 1.0Mg のオーダーフォーム(英語版)に、打ち合わせのたたき台となる第一弾のプランを落とし込み、そこに TiLite TR との違いや、考慮(打ち合わせ)すべき事項を書き連ねた資料一式を提出させていただきました。
その後、座幅について再考し(内藤が採寸した時は、北海道旅行仕様の超厚着だったらしく、再計測をお願いするハプニングが・・・(汗))、長時間の座位が安楽で、且つ、立ち座り動作がしやすい前後座面高を考察し、座シート長の設定を検討していたところ、makoさんから「今の TiLite TR はしっかり座った状態でも座面の先端から膝裏までが15cm近く空いてしまい、深く座ることができないので、Aria は座面の奥行きを長くしてほしい」という要望がありました。
makoさんの座底長(臀部後縁〔でんぶこうえん〕から膝窩〔しっか〕までの水平距離)と、TiLite TR の座シート長を比較しても、そこまで空いてしまうような寸法差はありません。来店時に Aria Wheels や Progeo CARBOMAX(いずれも、TiLite TR と類似した座シート長)を試乗された写真を見直しても座りが浅いことはなさそうでした。(愛車に座った肝心の写真を撮っていないという失態が…)
そこで原因を考えたところ、makoさんの TiLite TR は、その狭い背パイプの内側に「ROHO® AGILITY ACTIVE CARBON Min & Mid(ROHO・アジリティ・カーボン・ミニマム&ミッド )」が装着されているため、そのバックの湾曲度合いが体のラインにフィットしておらず、体が前に押し出されているのではないか?という結論に至りました。
※介助ハンドルが前向き(通常とは逆向き)になっているのは、体幹を安定させるための試験的措置とのことでした。
対して Aria Wheels 1.0Mg は、その独特のフレームワーク(フレーム形状)により、一般的な車いすの左右にある ”背パイプ” が存在しないため、そこに装着される「Aria® Backrests(アリア バックレスト)」の自由度が高く、ユーザーに合わせた最適なタイプを選択して、ベストな位置にセットすることで、座る人の体をバックレスト全体がしっかり受け止めてくれます♪
ROHO(ロホ)バックに限らず、JAY(ジェイ)・VARILITE(バリライト)・MATRX(マトリックス) などのハードシェルバックを一般的な車いすに装着する場合、左右の背パイプの内側に装着する形となるため、そのサイズに制約があったり、前方に出す位置でしか装着できないという欠点がありますが、Aria Wheels 1.0Mg にはその心配がありません。
それ故に、ユーザーの身体状況に合わせた最適な「Aria® Backrests(アリア バックレスト)」を、数あるラインナップの中から自由に選択することができるのです。
更に特筆すべき点として、Aria® Backrests 製品のラインナップにある[BKRTS(カーボンファイバー製、セパレートバックレスト) ]は、ユーザーの体の動きに追従して “しなやかに動く” ことに驚かされます!
一般的に、ハードシェルタイプのバックレストは(ディープ&ハイタイプになるほど)、体をしっかりと支えることができる反面で、そこに体がハマってしまい身動きがとれなくなる傾向があります。
それが嫌で、背張り調整式の布製背シートを選択されている方も多いと思いますが・・・ Aria 1.0Mg + Aria Backrests の組み合わせは、これまでの既成概念とは異質のモノなのです。
この “しなやかな動き” は、文章や写真だけでは上手くお伝えできないため、そのリアルな動きをお見せするべく急遽、拙い You Tube動画(約35秒)を作ってみましたので、よろしければご覧ください。
※痩せ型の木戸口チーフだと、その動きは微量ですが・・・メタボ体型の内藤が座ると、更にめちゃめちゃ動きます(笑)
体幹の広い面積をしっかり支えながらも、上体の自由な動きを妨げないという画期的なバックサポートシステムが[BKRTS(カーボンファイバー製、セパレートバックレスト) ]なのですが・・・
反面で、上位の脊髄損傷などで体幹筋が効かない方や、体幹に左右非対称性の運動麻痺および感覚障害がある方などで、車いすの背パイプの間や、ハードシェルバックに挟まる形で座位を保持しているような方には不向きかと思いますのでご注意ください。
もとい、受傷歴の長い男性の脊損ユーザーなどで、下半身はスリムで車いすの座幅が狭いが、上半身はしっかりとした逆三角形体型の方で、左右の背パイプが体側に当たって傷ができてしまうため、やむを得ず背高を低くしていて、安定した座位が確保できていないようなケースでも、Aria 1.0Mg + Aria Backrests の組み合わせは理想的ではないだろうかと、この記事を書きながら妄想しています。。。
(話がすっかり脱線していますが・・・)
makoさんとは、これらの情報を踏まえながら、座シート長をはじめとした各部の寸法検討、バックサポートの選定や高さの検討、一つひとつの詳細仕様や周辺オプションアイテムの検討、新たに採用するスティムライトクッションの選定、Golzホイールの特注製作の可否確認等といった数々の打ち合わせを LINEグループなどを駆使しながら、幾度となく重ねさせていただき・・・
途中、「こっちは急がないので、地元のお客さんを優先してくださいね〜」というmakoさんの優しいお言葉に甘えること数回・・・(汗)
かれこれ半年以上の歳月を費やして、ようやく完成したのが、こちら ↓ の仕様となります!
その後、LINEグループのやり取りで、兵庫県から鋭い指摘が入るなどして、若干の内容を修正(笑)、最終仕様確定後にmakoさんからのGoサイン(ファイナルアンサー)をいただき、満を持してイタリアAriaに正式発注させていただくことになりました!
次の[ページ2]では、makoさん仕様の Aria Wheels 1.0Mg が日本に到着し、各種の確認や調整を経て、makoさんへ納車させていただくまでの記録を書かせていただきましたので、ご興味のある方は引き続きご覧ください♪